技法の実際

2026年09月18日 23:17

技法の実際


世間一般で言われる「個性的であることやその発揮」とユングが定義された「個性化」は意味が異なります。

社会生活上は個我の特性発揮やアピールが重要になるシーンもあり、また「個性を伸ばす」教育も意図されるなど、前者は所謂「能力や印象、差異の表現、適応や提示」など、社会的個性を指します。
「その人らしさ」と不分離ではあるものの、無意識下を含めた内的探求を進め、全体性(真の自己)を統合していく道程が、ユング心理学の「個性化」となります。
「光(良いところ)も影(嫌なところ)も、生・非生物の深い根の部分もすべて引き受け、成長すること」ともいえるでしょう🦹

この「個性化」は禅で言うところの「父母未生以前の本来の面目」と深い同義性があり、あらゆる社会的属性や思考・エゴ(自我)が付与される以前から、自身の中に変わらず在る根本的な自己(仏性・空・無位の真人に通じるもの)」を指すと思われます😐

そして練功における身体変容と、ユングの個性化(心の成長的発展)は、似たプロセスを辿ります。

エゴの垢を落とす作業は大切なのですが、自我は自我としてしっかり機能しないと、精神世界は危ういことになります。
ユングご自身が武術で言うところの「大死一番(一度それまでの自我を打ち砕き、次の境地へ至ること)」に直面され、近代西洋知性の頂点にありながら、自らの精神の崩壊と引き換えに無意識の深淵に没入し、「深層の真理」を掘り当て生還された足跡からは、貴重な学びを得ることが出来ます🐾

自他境界が緩み、個体感覚の曖昧を見、「ワンネスの知覚」が起こっても、鬼が出ても蛇が出ても霊体が壊れても「おっさん🥸」が出ても主体性、能動性や普段の生活や猫は大切です。
そのような際、「正中心や軸の確立」は意識、主導権を保つ明確な個の核となります。

アクティブ・イマジネーション(能動的想像法)の方法は、簡易に以下になります😺
「能動的関与」と「対話」はこの技法に特化したものです。
この際も「自我の主体性と倫理観」を保つ事は重要となります。


①意識の閾値を下げます(半覚醒状態、浅トランスによる無意識への開口)
・リラックスと集中
静かな環境で心を落ち着かせます。
批判的な思考を一時的に止め、夢の断片、身体感覚、気になる感情などを入り口に、心に浮かんでくるイメージに注目します。

②イメージに自律性を与える(無意識的スターターの出現、観察)
・コントロールを手放す
浮かんできた人物や生き物、風景を自意で操作しようとしないことが重要となります。
「相手が勝手に動き出す」「勝手に話し始める」のをただ観察し、ありのまま受け入れます。

③意識の側から能動的に関わる(対話と倫理)
・重要な点
受動的にならず、普段の自我(日常の意識)を保ったままイメージと対話し、関わり合います。不当な要求は当然拒否します。
質問をし、交渉します。この「対等な対峙」が妄想化を防ぎます。
(但し正常な対話が可能、また身体憑依を行わない「イメージ対象」に限ります😥)

④体験を表現・記録する(定着)
・物理的具現化
対話が終わったら、その体験を絵に描く、日記に書く、粘土で形作る等、物理的な形、記録に残します。表現媒体、外在化は統合を助けます。(ユングの「赤の書」はこの記録です。)
※経験に長けた心理分析家のもと行いましょう🙂

精神科医として歩み始めた当初、ユングは夢分析や催眠療法も学び、臨床で扱っておられましたが、これらは治療上、自我と無意識の架け橋としての効果が薄いと実感し、アクティブ・イマジネーションを扱われました。

ユングの功績は偉大ですし、自ずから何かしら行うことは大切です。しかしこうして「主体性」、「能動性」について書いていて「何だかな😥」という気分になるのは、これらが使いようで「居つきかねない」ものであり、前野隆司先生提唱の「受動意識仮説」から見て、そもそも人の意識の発生が「受動的」なものである可能性があるからかもしれません💦

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