日本とユング🇯🇵

2026年09月17日 23:06

日本とユング🇯🇵

無意識や集合的無意識、それ自体が自律性を持ち、自我には無いパワー、力動作用を秘めていることを自ら体験されたユングですが、この深層領域には様々な「元型」を見られました。
元型とは意識領域に存在する象徴、また夢のイメージなどの源となる存在で、意識、集合的無意識の作用点としての働きを説明する概念です。

無意識領域の元型はアニマ・アニムス、影(シャドウ)、ペルソナやグレートマザー、トリックスターなど様々ありますが、顕在意識上の中心点である「自我」、意識全体の中心点の「自己」もまた「元型」となります。
ユング心理学、アクティブ・イマジネーション等の技法を実践するにはこれらの概念の理解は不可欠です。

ユングの思想は日本でも人気があり、トランスパーソナル心理学の分野でも研究が進んでいますが、真のユンギストの臨床分析家となりますと少数であるのが実情です。

ユングの分析心理学を深く理解され、著作でも広く紹介されている精神科医・ユング派分析家の老松克博先生は、アクティブ・イマジネーションの積極的な紹介者でもあり、合気道の実践、ご指導もされています。

無意識は壮絶な破壊力を持つとともに、深い癒しの力、創造力の源泉であることを充分ご存知であるからこそ、武術、体術の体得にも通じるアクティブ・イマジネーションの巧みな使い手でいらっしゃるのでしょう🐍

通常、無意識とは自我にとって異質な他者となります。Healing&Amuletプログラムの練功においても、これらを包括し、より深く細やかに認識し統合していく上で、上記のような通常では発揮し得ない力を得ていくこととなります。
例えば技法「夢の力」などは無意識下の力動作用、推進力をコントロールしつつ使う分かりやすい例かと思います😊

武術や各種「道」と呼ばれるものにおいて、攻撃性(影・破壊力)を排斥、抑圧せず、それらも意識に統合しながら昇華・錬成していくプロセスは、まさにユング心理学における影(シャドウ)の統合やアクティブ・イマジネーションの動的実践そのものといえます。

2010年には老松先生もご出席された心理臨床シンポジウム「武術に学ぶ心理臨床の知恵」も開催されました✨
老松先生のご著書には阿闍梨の法力に纏わる書籍もありますが、古武術の師範であられる武術家の方の霊性修行の半生を、ユング派分析家の視点から事例研究として書かれた以下の書も出版されています。

「武術家、身・心・霊を行ず」

「禅の思想」もまた、道と呼ばれる様々な分野の根底にあります。ユングはご自身の心理学を確立されるにあたり、非西洋文化の思想や宗教などからも多くを学び、取り入れられました。
ユングにとって禅思想の大家、鈴木大拙先生との交流もまた有意義であり、ご自身の思想への確信となりました。

1950年、スイスで開催された「エラノス会議」に大拙先生は招かれ、「悟り」の概念を世界に発信されました。
この際、分析心理学でいう「自我(エゴ)」の枠組みが解体され、より大きな自己(全体性)へと至るプロセス」が、禅の「悟り」と構造的に非常に近いことを確認されたのです。

大拙先生のご著書「禅思想入門」に自ら序文を寄せられ、禅の「悟り」を宗教的神秘体験として片付けず、「人間精神の普遍的な心理学的事実」として高く評価されました。
西洋的な過度の論理主義・合理主義に囚われた現代人に対し、言葉、理屈を超えた「無心・直接体験」の重要性を説く大拙先生の姿勢に、心からの敬意を表された出来事でした。

「自我は無意識の力を借りたいが、主導権は手放したくない。一方、無意識の側は、自我の協力を得て少しでも意識化され、現実のものとなりたがっている。」
〜老松克博「無意識と出会う」より〜

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