脳の3つの神経回路、DMNやCEN、SNの連携改善という神経可塑性への試みとして、Healing&Amuletプログラムが有効な可能性を持つことを述べました。前提として、個々人の脳特性の違い、個性の多様性の尊重が基本にあります。
発達障害(神経発達症)や学習障害、精神疾患として未診断、また未病の方々も周囲や社会との軋轢、生き辛さ等抱えつつ生きておられ、皆様おひとりおひとり、気質も特性も性格も違います。
神経学的多様性、ニューロダイバーシティの概念が社会に認知されて久しくなりますが、元々はオーストラリアの社会学者ジュディ・シンガー氏が1990年代に提唱したものです。
彼女自身が自閉スペクトラム症を持ち、「生物多様性」の概念がその発想の元でした。
ニューロダイバーシティとは、脳や神経に関わる個人の特性を多様性のひとつとして捉え、それを尊重し社会で活かそうとする考え方です。
ニューロダイバーシティの思想は、例えば発達障害であれば能力の欠如や優劣として扱うのではなく、ゲノムにおける自然で正常な変異と捉える点に特徴があります。
その上で、障害の有無にかかわらず多様な特性を認め、それぞれの強みを社会に還元していこうとする理念に基づいています。
疾患があれば治療し、その方の健康やQOLを高め、またその事により周囲にも良い作用を還元することは大切です🙂
しかし健全性の範囲は「時代や社会の都合」で定義されてきた面を持ちます。
その時代の社会構造(労働環境や共同体のあり方、テクノロジー)の要求によって変化してきたのが「健全」と「障害・病理」です。
現代の一般的な社会では「時間厳守・均一なコミュニケーション・長時間の同調行動」が要求されます。
これらは産業革命以降、合理性や効率性重視という都合で作られたものです。
社会適応とは「環境との適合度」の問題となります。
3つの脳回路バランスと障害特性の例で取り上げるならば、DMN優位で強い拘りを持つ場合、またSNの感度が高く環境刺激に過敏などの特性は、ある場面や環境において「高い専門性や創造力」となり、別の文脈では「生き辛さや不適応」となります。
企業の表向きの理念や義務として、ニューロダイバーシティを掲げた建前上の「障害者雇用」も進められていますが、ここでは本来尊重されるための内実は伴っておらず、「新自由主義的コスト削減」が現実に歪みをもたらしています。
また福祉支援等の現場でも、診断名という二元的ラベリングにより、ステレオタイプへの当てはめや過度な一般化も見られ、個性のグラデーションを見極められず、その方々の強み、背景的ストーリーや価値観、知性等が無視されるなど、個人的能力のエンパワメントが喪失される事も起こっています。
実際、障害や疾患による社会適合の擦り合わせは難しい事ですが、このような課題も乗り越える為の良い提案が出来ればと考えています🤔