正中心練磨の練功は、身の内においてより深奥の感覚、微細感覚を把握していく練功ともいえますが、遅かれ早かれ「意識の内外への拡がり、そしてミクロコスモスと知覚領域の広大と深淵」をみる段階が訪れます。
メソッドとして優れているがため、古今東西の哲学者や修行者によって長年探究され、受け継がれて来た「根源的領域の意識」にスピーディーに到達出来るわけですが、変容を経ても「生身の肉体」の現存は続きます。
身体を生命現象として更にどう扱っていくか、現代で生きることをどう「望む」かによって、学んだものの活かし方は人それぞれ変わってくることと思います。
止観も行える站椿功ですが、この行法自体は坐法による瞑想状態より、精神と肉体の統合がなされるという点でも優れている実感を持っています。
昔は「抱樹式や抱樽手🫱🫲」と呼ばれる站椿功を行っていましたが、こちらの感覚だと末端の張りや正中心感覚の凝集は起こり辛く、「ベクトル平衡体」にはなりません。
錐体外路と呼ばれる神経系は、姿勢や歩行、円滑な運動を可能にする筋緊張などの調節を行い、また指先の細かな働きを無意識的にコントロールしています。
站椿功における末端までの均等な張りを作る基本トレーニングは、個人的には錐体外路症状に対しても有効でした。
脳内のドーパミン分泌減少により生じる錐体外路症状ですが、疾患としてはパーキンソン病、パーキンソン病様の神経症状を呈するウィルソン病、精神疾患、薬剤性のもの、また老年期のドーパミン分泌低下によるものなど、様々あります。
療法として応用の汎用性への保証はありませんが、一例として残すこととします。
👺姿勢の崩れを防ぐ、また回復性を持つ
練功の繰り返しにより、中心、軸の把握、筋肉の屈伸や柔軟性の情報の、脳内での正しい統合の状態の記憶がなされます。
👺抹消への影響の緩和
脳からの「末端まで意識を通わせる」指令が弱まる、あるいは過緊張が末梢(指先)に逃げることで末端収縮が起こりますが、そのデフォルト化をある程度防ぎます。
👺神経可塑性と慢性化予防
脳内のブレーキとアクセルの役割を果たすドーパミン系の混乱は、無意識の運動を司る「大脳基底核や錐体外路」にエラーを起こし、それが末端の指先や姿勢の維持困難として現れている状態です。
こうした身体的な変化は「癖」ではなく、脳と神経系が発している、病状としての微細なサインです。
練功による「観」はこのような場合に対する心身状態の観察と共に「ボディスキャン」の役割も持ち、セルフボディイメージと動きの連動を助けます。
また私の場合は日々の練功で培う、深層レベルでの「手続き記憶」により、症状再燃で一旦起こる統一体の崩れ、骨格や筋状態の悪化が生じた後も、落ち着けば再度「練功の形」が自ずと生じてきます。