脳神経系の基本を構成する細胞たちや彼らの働きについてお話しました🧠
ニューロンのシナプス結合やグリア細胞との相互作用は重要な基幹ですが、細胞たちはどの遺伝子を強く使うか、どこに生まれどこに繋がるか、どんな信号に反応するかで、神経組織も機能が変わります。
脳は大きく分けて、大脳(思考・運動・感覚・記憶)、小脳(運動調整やバランス)、脳幹(生命維持)で構成されますが、大脳新皮質の役割分担を見てみましょう。
大脳半球の表層部分、新皮質部分を大きく区分けしたものが「葉」と呼ばれます🍃
それぞれが運動、感覚、視覚、聴覚、思考などの役割を担っています。
🌟前頭葉
運動・高次の精神機能、自我存在の認識に関与します。
🌟頭頂葉
視覚、運動、言語、空間認知に関与し、第一次体性感覚野が含まれます。
🌟側頭葉
聴覚に関連します。ここに存在するウェルニッケ野は言語理解を担当しており、言語と記憶の機能を担っています。
🌟後頭葉
視覚中枢が存在し、視覚情報の解釈に関与します。入力は背側と腹側に分かれ、情報処理されながら伝達しています。
頭葉はこのように4つの領域に区分けされていますが、もう一つ大脳皮質の領域にある「島皮質」も、「心」の記事で触れましたように内受容感覚を知覚する上で重要とされ、また多様な役割を担っています。
島皮質は頭葉に覆われてシルビウス裂の奥に存在し、第5の独立した葉と捉えられたり、側頭葉の一部であるとの主張も見られます。
🌟島皮質は全身の感覚集約部位
内受容感覚や自己受容感覚(固有感覚)を知覚として取り込む上で欠かせないのが島皮質です。
構造的には前部と後部に分かれるとされ、視床や海馬、扁桃体とも密接に作用し合う関係にあります。
《島皮質前部》
味覚・嗅覚・内臓自律系と強く関わりがあります。前端部は辺縁系と関連し、また辺縁系が関連する様々な領域への出力も行われています。
《島皮質後部》
聴覚・体性感覚・骨格運動とより強く関わっています。
先述しましたソマティック・マーカー仮説の提唱者アントニオ・ダマシオは、情動体験から主観的感情を生み出す上で島皮質は重要であり、直感的マップの役割を果たすとされました。
島皮質においては様々な入力情報の収束と処理がなされています。身体が生む情動から文脈と関連付けされた感情体験を生み出し、痛み、喜怒哀楽、不安や恐怖などを自覚するため、感情処理として統合しています😿
ノスタルジーなどの複雑な感情の他、注意、意思決定、共感、依存症や免疫反応にも重要な関わりを持つことも明らかになってきました。
内的状態と外界を繋ぎ、「今自分にとって何が重要か」を感情を含め評価し、選択と行動化をする上で大切な機能を担っています。
島皮質の機能変化は、不安症、うつ病、統合失調症、摂食症、依存症、身体症状症、機能性神経症状症など、様々な精神疾患で報告されています。
瞑想習慣がある方は島皮質右後部の厚みが増しており、統合失調症患者における研究でも、瞑想の継続は島皮質と前頭前野との機能的結合性が改善し灰白質萎縮を抑制するなど、症状全般の改善に寄与することが報告されています🙂